間を切り取る家
今回の計画は古くからある分譲地の一画の建替えの計画です。北面が道路に面し、3面は古くから立ち並ぶ住宅街です。外部に面して大きく開くことは難しく内部でいかに豊かな空間を作ることをコンセプトとしました。
内部の居住スペースと外部的要素のあるエントランスとを分け、エントランス部分を外部のようなしつらえとすることで、内部にいながらも外を感じられる空間にできないかと考えました。
そこで、内部と外部的な空間と外部の開口部をデザインすることで、心地よい違和感を与えることを試みました。
開口部の厚みを極限まで薄くつくり、この開口部を連続させることによって、外部と内部の境目をゆるやかに仕切りました。
エントランス部分は美術館にきたような静けさのある空間として空を絵のように切り取る開口部、この開口部は、刻々と変わる空の色や雲の形によって全く違う表情を見せる開口部となっています。ぼんやりと、いつまでも眺めていたくなります。
エントランスと居住空間を分ける開口部は、外部の開口部と同じデザインとし連続させることで切り取られた空間をどこからでも見ることができます。
通り過ぎていく光をとらえ、人間の知覚体験(見ること、感じること)に働きかけることにより、空間に入ると
四角に切り取られた風景へと視線が自然と向かいます。四季を通じて朝から夜まで絶え間なく変化する光を体感することが促されます。しばらくこの空間に身を置いてみると、普段は気づかない感覚にみまわれるでしょう。「どのように光を感じるか」日常の中の非日常を心地よい違和感で感じ、生活に変化を与えることにより、
感覚的な豊かさを感じることができる住宅となりました。
A house of unified divisions
This reconstructed house is located in an old residential neighborhood. The north side of the house faces a street and the other three sides are facing neighbors’ houses, which made it challenging for us to open up the space to the outside. Thus, our focus was to design a comfortable interior space.
The entrance and the living space are intentionally separated in a way that one can feel both outside and inside at the entrance. Our intention is to create a ”comfortable disorder” and a unique connection between interior, exterior, and somewhere in between.
The entrance has a kind of stillness reminiscent of a museum. A door to the living space cuts out from the entrance in a square shape, and the atmosphere changes by the color of the sky or the shape of the clouds. The two entrances (to outside and to the living space) are designed to be identical, which creates continuity between interior and exterior.
The house is designed so that people pay attention to the landscape outside that is cut into a square by the windows, and to the ambience that changes over time with the seasons and daily natural lighting. Through this, we hoped to encourage the resident to feel the richness of sensory experiences within their home.