今回の物件は、世代を超え住みつがれてきた民家の改修です。
京都ならでは間口の狭い土地な上、建蔽率・容積率が厳しく、建て替えもご相談いただいていましたが、リノベーションを行うことになりました。
今回の計画では、様々な高さの床を組み合わせることをコンセプトとし、
建物内に光を取り込み、狭小であると感じさせない解放感を造り出しています。
改修前の間取りは、増改築が繰り返され、1階の居室空間にはほとんど光が差し込まず、照明を1日つけておかないといけない程の暗さでした。ご要望される部屋数は寝室と水回りとLDKのみ。
明るさを必要としない水回り空間はコンパクトにすっきりまとめることで、寝室やLDKスペースが最大限に確保でき、開放的な空間を生み出しました。
建物が敷地境界ギリギリに建っていることもあり、道路に面し階段を設けることで、歩道を歩く人々から生活スペースとの距離をつくり、階段の吹き抜けを利用し部屋の奥まで光を落とし込みます。
階段ホールの床高さをバラバラに設定することで、空間に動きが生まれ、目的に合わせた多様な使い方ができるようになっています。
又、プライバシーの必要な水回りのみ、壁を立ち上げ、空間を確保します。そうすることで、温かみのある雰囲気と明確に分け、無機質な冷たさを感じるメリハリのある空間をつくり、狭いながらにLDK・寝室が心地よく感じてもらえるように工夫しています。
とてもシンプルな間取りでありながら動きのある空間をつくることが出来ました。