滋賀県甲賀市土山町、築150年の古民家を再生した体験型宿泊施設「瀬ノ音」
今回の計画は、滋賀県甲賀市土山の川と森林の広がる片田舎にある築150年の古民家を再生リノベーションし、体験型の簡易宿泊施設する計画です。
近年地方の空き家問題が取り上げられる中、土山では、初となる古民家を再生リノベーションした宿泊施設となります。
古民家の良さである田の字型の和室部分や縁側は残し、水廻りを中心に改装を行いました。
古き良き部分を生かし、キッチンや浴室などを整えると共に、外部と繋がる提供スペースを設け、地域の方々との交流場所となります。
また、宿泊者は、茶摘み体験や、川沿いのテントサウナ・林道ハイキング・サイクリングなどを楽しむことができ、豊かな自然を感じながら過ごすことのできる宿泊施設となりました。
コロナ過を経てリモートワークや働き方など人とのかかわり方の変化がある中で、地域の人たちと関わり、自然と関わることで地方の魅力を感じて頂き、地方活性化の架け橋となればと思います。
滋賀と三重の県境、鈴鹿山脈の麓に位置する甲賀市土山町は、江戸時代から続く銘茶「土山茶」の産地として知られる自然豊かな地域です。
しかし近年、人口減少と高齢化による空き家の増加が深刻化し、コロナ禍で地域コミュニティの希薄化も進んでいました。
こうした背景から、「人と地域をつなぐ」新たな交流拠点として、築150年以上の歴史を持つ古民家を再生した体験型宿泊施設「瀬ノ音」が誕生しました。
かつて冠婚葬祭など人生の節目を彩り、地域と人々とのつながりを育んできたこの古民家は、その精神性を受け継ぎ、丁寧に再生されました。
畳の部屋を障子で緩やかに仕切る「田の字型」の間取りは、開閉によって“ひらかれた余白”を生み出し、訪れる人々に心地よい距離感と関係性を提供します。
これは、現代において見失われがちな「共にあること」の価値を再認識する場としての役割を担っています。
「瀬ノ音」では、古民家が持つ古さという再現できない価値を尊重し、時を重ねた空間ならではの深みや魅力を体験として提供しています。
また、地域住民との協働を大切にし、茶摘みや餅つきといった土山町の豊かな自然や文化を活かした体験プログラムを多数用意。訪れる人々が地域と交流し、その風土に触れることで、地域の魅力を再発見し、地域活性化の一助となることを目指しています。
「瀬ノ音」は、自治体や地元企業と連携しながら、地域活性化を目的としたコミュニティのあり方を模索し、人と地域、そして人と人をつなぐ交流拠点として、新たな価値を創造していきます。
瀬ノ音のりずむ
滋賀県甲賀市土山町瀬ノ音196
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