内包する家
新興分譲地の大通りに面する130㎡(約39坪)の角地。2台以上の駐車スペース確保と、三方を建物に囲まれた北側道路という厳しい条件の中、
「内包する家」は、都市生活における新たな豊かさを追求しました。プライバシーを守りながら、いかに光と開放感を取り込むかが、このプロジェクトの鍵でした。
その解決策として、私たちは南東面に大胆な「光のボイド(吹き抜け)」を設計しました。このボイドは単に空間を広げるだけでなく、
太陽の恵みを住まいの奥深くまで導く光の道となります。エントランスから階段へと続くこの開放的な空間は、北側に位置する玄関まで光を届け、
室内にいながらにして、まるで屋外にいるかのような心地よさを生み出します。
限られた敷地の中で、ダイニング、階段、エントランスといった空間を
「繋がりのある外部的な場所」として一体的に扱うことで、視覚的な広がりと心地よい一体感を実現しました。
コンパクトな建物でありながらも、光と空間の巧みな操作により、住まいのどこにいても外部の気配を感じられる、豊かな「内包する家」が完成しました。
都市の喧騒から一歩足を踏み入れれば、そこには光とつながりが織りなす、穏やかな安らぎの空間が広がります。